飛 梅
とびうめ
梅の形をかたどった紅白の打ちものです。 菓銘は菅原道真公ゆかりの御神木『飛梅』にちなみました。北阿波産の和三盆糖の風味がよく立ち、きめ細かで上品な甘さをお楽しみいただけます。
|
太宰府天満宮ご神木「飛梅」
|
樹齢千年を超えるとされる白梅で、本殿前の左近(本殿に向かって右側)に植えられています。飛梅伝説で全国的にも有名な梅の木です。この飛梅は、もともと道真公の配所であった榎社(えのきしゃ)にありましたが、太宰府天満宮の造営後に現在の本殿前に移されたといわれています。人形浄瑠璃や歌舞伎でも演じられる菅原伝授手習鑑などにもこの飛梅が出てきます。また、太宰府天満宮に植えられた梅のなかではいちばん先に咲き始めることでも有名です。 |
飛梅伝説
菅原道真公は、藤原時平との政争に敗れ、遠く大宰府へ左遷されることになりました。その都落ちの際、屋敷内で愛でていた梅の木との別れを惜しんで、『東風吹かば にほいおこせよ梅花 主なしとて 春な忘れそ」と歌を詠みました。主を慕う梅の木は、一夜で太宰府に飛んでゆき、道真公の配所であった榎社に降り立ったという伝説です。
この有名な伝説以外にも、伊勢国度会の白太夫という者が、道真公を慕って大宰府に下る際、道真公の京の屋敷に立ち寄り、夫人の便りとともに庭の梅を根分けして持ってきたという話もあります。道真公は都から取り寄せたことを伏せ、「梅が飛んできた」ということにしたともいわれています。