唐津焼の田中佐次郎先生の展示会 黒田陶苑
唐津焼の田中佐次郎先生のオンライン展示会【窯と闘う 田中佐次郎作陶展】が黒田陶苑様で開催中です。唐津の山深くにある山瀬のマリ石でひたすら作陶に打ち込まれている田中佐次郎先生ですが、こうして年に数度、各地で展示会を開催なさっておられます。梅園菓子処の宝満山を大変お好みでいらっしゃるのですが、そのご縁でよく茶会等でもお使いいただいております。
一度、真夏の暑い日、山瀬の窯にお邪魔をしたことがあります。唐津の山奥にずんずんと登っていき、「これから先はちょっと車では無理なんじゃないか」と思うようなところを勇気を振り絞って進みます。すると、目の前に立派な門が現れ、その先に田中佐次郎先生のご自宅と窯があるのです。快くお迎えいただき、囲炉裏に通されます。しばらくお話をしていると、一碗の薄茶が運ばれてきました。どうぞと目の前に置かれた一碗を見て吃驚。田中佐次郎先生の作品ではないですか。田中佐次郎先生の目の前で、田中佐次郎先生の唐津焼でいただく一碗のお茶。そして目を移せばこの一碗が誕生した登り窯。言葉では表現しようのない満たされた時間でした。
先生は折にふれて直筆のお手紙を下さいます。御家流と江戸仮名で書かれたお手紙を頂戴して、こちらも金釘文字でお返事をお出しするのですが、すぐにまた達筆でお返事を下さいます。そして、先生がそうやって文通をしていらっしゃる方々が錚々たる顔ぶれ。いろいろなお返事を拝見しながらまたお替りのお抹茶をいただきます。本当に得難い体験をさせていただきました。そばを流れる小川には水車が回っています。その水車を利用して長石を砕いてるとのことでした。ふとタイムスリップしたかのような感覚を感じます。そのような場所で先生の作品は誕生しています。
田中佐次郎先生の展示会は2020年10月16日(金) ~ 2020年10月20日(火)です。また、先生の在廊日は10月16日(金)~19日(月)の予定のようです。ぜひ、足を運んでみていただければと思います。詳細は以下の黒田陶苑様のウェブサイトをご覧ください。
オンライン展示会【窯と闘う 田中佐次郎作陶展】 Exhibition of TANAKA Sajiro ~ Grappling with Kiln ~