労働集約型企業のサバイバル戦略
和菓子の製造販売業は大きく2つに大別されるかと思います。製造を機械化した企業と製造を職人が行っている企業の2タイプです。江戸期に創業されたような歴史ある会社であってもすでに機械化が完了したところがあるでしょうし、創業間もない新しい企業であっても職人さんが手作りで作っているところもあるでしょう。
製造を機械化した企業は戦後の高度経済成長期に投資をしてビジネスをスケールしてきた会社が多いかと思います。逆に、その時に機械化していなければ手作りで製造することに付加価値をつけて製造販売をしている企業が多いのではないかと思います。どちらにもメリットとデメリットがあり特色があるので、それが菓子の個性として表れてくるのだろうと思います。
弊社の場合には、後者の機械化をしないという方針を創業者が選択していますので、後者の機械化しない製造販売業ということになります。全国各地に弊社と同じような選択をなさった企業様もきっとたくさんいらっしゃるだろうと思います。そして、おそらく同じ経営課題として感じていらっしゃるのが、毎年の人件費の上昇が製造原価や販管費に大きな影響を与え、利益率が下がっていくことではないかと思います。
弊社の場合もこれと同じ経営上の課題を抱えています。商品を作れば売れていった時代ならばあまり深く戦略や戦術について考えずとも利益は残っていったのかも知れませんが、現在はそうはいきません。人、能力、資本など限りあるリソースをどこに配分して利益を出すかを真剣に考えなければならない時代です。そのためにはインプットも大事ですから日々勉強をしなければなりません。また、労働集約型ビジネスの場合、熟練スタッフの高齢化、少子高齢化の中で新しい人材をどう確保するかも喫緊の課題として積み残されています。
そして、これについては完璧な正解がないというのが厄介なことです。各企業によって、取り巻かれている環境が異なるので、A社で正解だったことがB社で正解であるとは限りません。そこで仮説を立て、いろいろと手数を増やしてそのフィードバックを得るというサイクルを回していくわけです。PDCAを回すというアクションは巷間良く知られることですが、NLPにはこれ以外にもTOTEモデルやSCOREモデルというメソッドがあります。どんな企業や組織にも完璧に通用するテッパンの正解がない以上、これらの様々な手法を使って仮説を検証していき、うまく行く方法を探り当てるしか手がありません。
弊社の場合、社外に知能集約型の戦略チームを作り、これらの最適解をどうやって最短で得るかをテストしています。そこで得られたノウハウや課題解決のヒントを、将来的には同じ課題をお持ちの労働集約型の企業様とシェアする仕組みを考えています。アフターコロナにおいても、共にサバイバルを果たした上で、ともに成長と発展を遂げていきたいと思っています。