芦屋釜の鋳物師、樋口陽介さん、都内で初イベント
芦屋釜といえば、南北朝時代の頃から江戸時代初期にかけて、今の遠賀郡芦屋で作られていた茶の湯の釜のことをいいます。いわゆる利休居士好みの千家十職(せんけじっしょく)には入っていませんが、古来から茶道家にとっては垂涎の的の茶釜であったようです。
ただ、やはり茶の湯の中心である京からも少々距離があったりしたことで、江戸初期に廃れてしまってミッシングテクノロジーとなっていました。そのことがかえってこの芦屋釜の希少性を高めることとなり「幻の茶釜」と呼ばれるようになります。
このミッシングテクノロジーを現代に復活させようということで芦屋町が作ったのが芦屋釜の里という工房兼博物館。こちらに併設されている工房には、16年の修行を終えた2名の鋳物師が在籍されています。おひとりはすでに鋳物師として独立して活動されている八木 孝弘(やつきたかひろ)さん。そして、もうおひとりは、この度独立なさった樋口 陽介(ひぐち ようすけ)さん。
その樋口陽介さんの初の個展が港区新橋の「Art gallery 閑々居」で行われています。お茶にご興味のある方もそうでない方も、ぜひ一度復活したミッシングテクノロジーである芦屋釜をご覧になってみてください。鋳物師の樋口陽介さんは会期中、会場に臨席なさっているようです。
芦屋釜の里サイト内のページ
「幻の茶釜」芦屋釜の鋳物師 16年の修業終え独立へ 福岡県芦屋町
産経新聞記事